無敵の人を生み出さない社会を作ることを考えなければ

 

最近では物騒なニュースが多くなってきているように思います。
日常生活を送っていて突然危害を加えられてしまうというようなもの。

 

それが不特定多数なのか特定の人なのかというような違いはありますが、どれもそこまでの危害を受けるまでの理由が存在しない勝手な思い込みのようなものであり、いわゆる無敵の人と呼ばれる何も失うものがない人が事件を起こしてしまうということが出てきています。

 

一つ一つの事件に関しては、その事件を起こした人が悪いという事実は変わるものではありませんが、何かこのような社会問題についての対策を考えなければいけないのではないでしょうか。

 

コロナ禍が続いていることもあり、ますます世の中でこのような人も生み出し続け、社会治安への問題が発生する可能性が高くなってきているように思えます。

 

 

誰もが最初からおかしかったわけではない

 

事件が起こると昔の話をマスコミが聞き出したりすることが多いのですが、たいていは性格に難はあったとしても。昔から異常者だったというわけではありません。

 

他の人と同じように日常生活を送ることができていたのに、何かのきっかけがあったのか、少しずつ歪んでいったのか、だんだんと思考回路が常識を外れていくことになってしまったわけです。

 

無敵の人となるには家庭環境の問題も大きいとは思いますが、誰もが良い家庭環境があるわけでもなく、家庭内で良いコミュニケーションが取れている、楽しく毎日を過ごせているわけではありません。

 

これは裕福かどうか等とは別問題でいろいろな問題があり、家庭に全責任を負わせてはいられない状況にあるように思えます。

 

何かもっと本人と日常的にコミュニケーションをとって考えを交換できるような場、本音を言い合えるような場があればこうはならなかったのではとも思うのです。

 

 

学校を卒業すると放り出されてしまう

 

今の日本においては学校を卒業、あるいは中退するとコミュニティーからは放り出されてしまい、自分自身で新たな場を見つけていかなくてはいけないというものになっているように思えます。

 

学校を卒業したら次が働く場がコミュニティーとなり、その場で満足に自分が受けいれられないと自分の居場所が無くなってしまうという問題です。

 

学校でもいろいろな問題は起こりますが、職場では縦社会になりますし、すべての会社が居心地の良い場を用意してくれるわけではありません。厳しい競争を強いられますし多くの脱落者が出る構造になっています。

 

そういった場で順調にやっていけないという人が救済される場が著しく少なく無敵の人を作りやすくなってしまっているのかとも思います。

 

別に会社内でなくても社外に友人がいるような人はたくさんいますし、社会人サークルのようなものもたくさんあります。でも、そういう社外の場で上手くいく人は最初から社内でも上手くいく人であったりと、そんなに会社で受け入れられなかった人が受けいられるような場所が用意されてはいないように見えます。

 

運動するサークルでも、別にオタクコミュニティーでもなんでもいいのですが、どこかで自分の価値観を受け入れてくれるような場がないと生きていくのは苦しくなりますよね。

 

そういう場をもっと用意してくれる仕組みがあってもいいのかなと思うのです。

 

 

 

SNSは秩序がなく歪んでいく

 

今はSNSで直接の知り合いでなくても、話をすることができるようになりました。
自分の身近でない人の意見も聞けて参考になる話も聞けたりと便利な世の中になっています。

 

ただこのSNSに関しても人が自由に発言するあまり歪みが起こり、価値観の偏りや余計な煽り、性格の歪みが起こりやすくなってきているように思えます。

 

もともと自分に自信がある人であればいいですが、社会的な弱者に当たる人が使ってもかえって自信を無くしたり、世の中が嫌になってしまうようなことが多いような気がします。

 

匿名だからこそ自由に発言出来るメリットはあるのですが、その分他社への優しさ気遣いがなくなり、SNSもまた生きにくいと感じる人が多く出そうです。

 

 

 

仕事も一度失敗すると立ち直りにくい

 

仕事面、就職面ということで考えても日本では一度失敗すると立ち直りにくい社会になっていることを感じます。

 

仕事はキャリアアップ転職を上手くやっていかない限り道を外れると非常に復帰しにくい仕組みになっています。普通の転職サイト等で道を外した人が上手くいく可能性は極めて低いでしょう。

 

そしてハローワーク等でも求人の待遇であったり、それでケアしてくれる内容等を見ると、かなり現実的には厳しいものが見えてきます。

 

もう少しこの当たりもなんとかならないのか、一度レールを外れようと戻ったり、後から業界を変えて再出発する人を応援できないのかとも思ってしまうところがあります。

 

営利企業であれば優秀な人を囲いたいのは当然の話であり、そんなに誰でも受け入れられるわけではないということは重々承知していることではありますが、もう少し立ち直りやすい社会にしていかないと、社会秩序面で単純にハローワークがあればいい、もしものときは生活保護があればいいでは済まないように思えます。

 

 

大人でも何か世話をしてくれるところが必要では

 

子どものときであれば、社会が出助けしてくれる仕組みがあっても、大人になってからでは自ら自分の生きる場を見つけない限り居場所がなくなってしまうという世の中になっているように思えます。

 

今必要なこととして、大人でも何か世話をしてくれる、別にお金をくれたりとか、就職の世話等でなくても、単純な話し相手の場などでも、何かコミュニケーションを取れるような場を用意してくれてもいいのではないでしょうか。

 

大人だから自分でなんとかしなさいというのは当然として、それで上手くいく人はいいのですが、そうはならなかった人達が切り捨てられるのであれば、それは結果無敵の人を呼ばれる人を増やすことになってしまい、健全な社会を妨げることになってしまうと思うのです。

 

もっと気軽に価値観を受け入れてくれるような場所、居場所を用意してくれるような仕組みがあればいいのになと考えます。


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